2008年3月 7日
「敷金返してちょうだいな (/-ω-)/」 by 借主さん
「いやいや、退去時の修繕でほとんど残らないですよ (ー_ー )ノ"」 by 貸主さん
何かと問題となる「原状回復」。
原状回復費用は借主負担か、貸主負担か。
判例も、その状況によって分かれています。
ひとつ事例をご紹介。
「借主は、契約終了時には本物件を原状に復して明渡さなければならない」
この原状回復特約には、通常使用の損耗は含まれないとした例
賃借人Aは、賃貸人Bから昭和62年5月1日本件建物を下記内容で賃借しました。
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期間 : |
昭和62年5月11日から2年間 |
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賃料 : |
月額12万円 |
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敷金 : |
24万円 |
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特約 : |
契約終了と同時に本件建物を原状に回復して(但し賃貸人の計算に基づく賠償金をもって回復に替えることができる)、明け渡さなければならない。 |
その後2年ごとに下記の通り契約を合意更新。
期間 : 平成元年5月11日から2年間
賃料 : 月額13万円
期間 : 平成3年5月11日から2年間
賃料 : 月額14万円
そして平成5年4月30日、賃貸借契約は合意解約。
同日、賃借人Aは賃貸人Bに本件建物を明け渡しました。
AがBに敷金返還を求めたところ、
Bは、本件建物の明渡しを受けた後、畳の裏替え、襖の張り替え、ジュータンの取り替え及び壁、
天井等の塗装工事を行い、その費用として24万9780円を支出したと主張。
原審(豊島簡判)は、賃借人Aの主張を認容。Bが控訴しました。
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判決の要旨 (東京地判 平成6年7月1日 平成5年(レ)第213号:敷金返還請求控訴事件)
敷金24万円全額返還
1.本件特約における「原状回復」という文言は、賃借人の故意、過失による建物の毀損や通常でない使用方法による劣化等についてのみその回復を義務付けたとするのが相当である。
2.Aは、本件建物に居住して通常の用法に従って使用し、その増改築ないし損壊等を行うこともなく本件を明け渡したが、その明渡しの際又は明渡し後相当期間内にBや管理人から修繕を要する点などの指摘を受けたことはなかった。
3.Aは、本件契約を合意更新するごとに新賃料の1ヶ月分を更新料として支払ったが、Bは本件建物の内部を見て汚損箇所等を確認したり、Aとの間でその費用負担について話し合うことはなかった。
以上から、Aは本件建物を通常の使い方によって使用するとともに、善良な管理者の注意義務をもって物件を保持、管理し、これを明け渡したと認められるから、通常の用法に従った使用に必然的に伴う汚損、損耗は本件特約にいう原状回復義務の対象にはならないとし、Aの請求を認容した原判決は相当であるとして、Bの請求を棄却した。
やってしまいましたねぇ、大家さん (´ ▽`;)
民法では「契約自由の原則」が基本。
なので、特約だって自由に決められます。
だがしかし、その特約が有効となるかどうかは別問題!
「原状回復」については、以下の要件がかかせません!!
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賃借人に特別な負担を課す特約が有効と認められるための要件 |
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1. |
特約に必要性があり、かつ、暴利的でないなどの客観的・合理的理由が存在すること | |
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2. |
賃借人が特約によって通常の原状回復義務を超えた修繕等の義務を負うことについて認識していること | |
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3. |
賃借人が特約による義務負担の意思表示をしていること | |
この判例でも、
「原状」という言葉は、
建物賃借前の状態を指しているともみることもできないとはいえない。
が、
建物が時の経過によって古び、減価していくのは避けられないことで、
賃貸人はそのような減価の進行する期間、これを他に賃貸して賃料収入を得る。
「原状」に回復させるという一語を契約上使用することによって、
賃借人に賃貸借終了後、その建物を、
賃借開始時の状態すなわち時の経過がなかったかのような状態に
復帰させるべきことまでを要求したものとするのは、取引当事者の公平を失するものというべき
としています。
ってことは、この大家さんだって、
契約時や更新時、「原状回復」についての費用負担を明示していれば・・・・
明渡しの際、どこの修繕が借主負担なのか話し合っていれば・・・・
結果は違ったかもしれません。
さらば、敷金。ごきげんよう (_´Д`)ノ~~...............w¥w




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